ようやく分娩室へ来ても、次々とでかい波が押し寄せるのを逃すばかりで、次の波が来るのが本当に怖かった。
もう、辛すぎて声を出してた。
「ふうーーーーーーー!!!!」
とか
「んぬぬぬぬぬーーー!!!!」
とか。
分娩室に入ったら、ズボンとパンツを脱いで、代わりに、紙でできた靴下をはかされたと思う。
今の姿勢でいいから分娩台に上がって、と言われたけど、分娩台の上でどうやって立ちながら夫にしがみつくのかわからなかったので、そう伝えると、じゃあその場でと、分娩台の横に紙のシートとかを敷いて赤ちゃんを受ける準備をしてくれた。
もうしばらく立った状態でいたので、足が疲れてプルプル震えていた。
この状態が楽とは言えなくなって来て、座ることにした。
座るといっても、分娩台にもたれかかりながら、座っていると、どの姿勢が楽か聞かれた。
「わからないです」
正直もう、どの姿勢も変わらない気がしてきたぞ…。
と思ってた時、またビーズクッションを看護師さんが持ってきてくれて、そこに上半身を持たれかけて、下半身は座ってるのに近いような四つん這いになった。
一度、声を出さないように気をつけていきみをのがしてみたらできた。
なんか、この体勢楽な気がした。
そこに、また夫の手をつかませてもらって、さらに波が来た。
やっぱり声が出て、力任せにいきんでしまった。
二回か三回かいきんでしまった時に、ぶにゅっと頭が出て来たのを感じた。
「排臨です!」
と看護師さんが言った。
「いきまないで!!」
と言われてる間に、看護師さんたちが「先生いる?」みたいな話をしてる。
「いません」
来るまで待たせるんかい⁈
この頭がちょっと出てる状態で。
何か次から次へと押し寄せて来る。
波なのかわからないけど、体がもういきみたくて、いきみたくて仕方ない。
「無理ですー!!」
と言っていきんでしまった。
呼吸を「ふっふっに切り替えて」
と言われてももう、できなかった。
そうして、二、三回いきむとズルズルーっと赤ちゃん産まれて来ました!!
床に。
そして、足がプルプルして何かにもたれかかりたい私は、「いきんでごめんなさい」とみんなに謝ってました。
赤ちゃんの手を掴んで、赤ちゃんにありがとうと言って、そこでへその緒をクリップで留めて、切られるのを見てました。
その後、分娩台の上に乗せられました。